切り裂きジャックに遭遇
エミリー | (……あれは……爪……?) |
雲間から差し込んだ月光が、霧を断ち切ってシルクハットの人物の姿を照らしだした。 影が差して、その人の顔までは見ることができない。 けれど、その両手には、動物の爪のように銀色の刃物が仕込まれていた。 |
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街の男性 | 「……ッ……!!!」 |
……そして、シルクハットの男の冷たく光る刃が、走ってきた男の喉へ吸い込まれていくのが見えた。 | |
エミリー | 「っ……!!?」 |
突然の出来事に、私は息を呑んだ。目が釘付けとなって、動かすことができない。 | |
街の男性 | 「っ……ハ……」 |
喉から空気が漏れ、呼吸ができないのか……男は苦しげな吐息を漏らし……
ドサリと、力なくシルクハットの男の足元に崩れ落ちた。 |